消費生活相談員資格試験 過去問解説

消費生活相談員資格試験対策としては過去問を多く解くことが近道です。しかし、過去問の回答の解説がなかなか市販されていないため、独自で作成

消費生活相談員資格試験 30年度 14問

平成30年度 消費生活相談員資格試験 14問

14. 次の各文章が、正しければ〇、誤っていれば×を解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。 

① 路上で呼び止めて、最初に販売目的を告げた上で事業者の店舗に同行させて契約に至った場合、特定商取引法の訪問販売に該当する。

【解答】 〇

  • いわゆる「キャッチセールス」にあたり、路上など営業所以外で声をかけ、営業所等に同行して契約した場合は「訪問販売」に該当する。 

 

② 消費者が、自ら商品についての資料の郵送を依頼するために電話をかけた際に、事業者が「訪問して説明をしたい」旨を申し出て、これを消費者が承諾して自宅で契約した場合、特定商取引法の訪問販売の規定は適用されない。

【解答】 ✖

  • 消費者は資料の郵送を依頼するために電話したのであって、商品の申し込みをするために電話したのではないので、その電話で訪問することになったのであれば「訪問販売」に該当する。 

 

③ 消費者が、事業者から電話による勧誘を受け、その勧誘の結果申し込もうと考え、すぐ後に消費者が当該事業者のホームページの申込み画面から契約の申込みを行った場合は、電話勧誘販売に該当する。

【解答】 〇

  • 申込み方法ではなく、勧誘自体が電話によるものであるため、「電話勧誘」に該当する 

 

④ 特定権利には、社債や株式会社の株式、投資信託は含まれるが、発行会社が自ら販売する未公開株は含まれない。

【解答】 ✖ 

  • 特定権利には以前の「指定権利」のほかに、社債その他の金銭債権」が含まれるので未公開株式も含まれる
  • また、社員権、CO2排出権、シェールガス風力発電の施設運用権なども特定権利に該当する。 

 

⑤ 「初回お試し価格」と称して低価格で商品を販売する旨が広告に表示されているが、実際に当該価格で商品を購入するためには2回以上継続して売買契約を締結する必要がある場合には、原則として、定期購入契約である旨や金額、契約期間等の販売条件を広告に表示しなければならないと定められてい
る。

【解答】 〇

  • なお、1回契約で複数回の商品の引き渡しや代金の支払いをする場合は、特商法信販売についての広告11条1号~3号規定により、買い手が支払うこととなる代金の総額等の条件を全て正確に記載しなければならない。  

 

⑥ 通信販売において、商品の販売業者が広告中に返品特約を表示していなかった場合、契約書面の交付日から8日を経過するまでの間であれば契約の解除をすることができる。

【解答】 ✖ ➡ 「契約書面の交付日」ではなく、商品が届いてから8日以内

  • 信販売にはクーリングオフ制度はなく、書面交付義務もない。よって「契約書面交付日から」部分が間違い。
  • 返品返金規定について、表示の義務はあるが、「返品できない」と規定すること自体は禁止されていないため留意すること。
  • 返品制度について表示がない場合は、「商品が届いてから8日間は返品できる」と規定されているが、クーリングオフ制度と異なり、返品にかかる費用も特約がなければ消費者が負担することになる。 

 

⑦「無料の就活セミナー」への参加を勧める電話を受けて出向いた会場で、外国語教室(受講期間6ヵ月間、総額 20 万円)の受講を勧誘されてその場で契約した場合、特定継続的役務提供と訪問販売の規制が重複適用される。

【解答】 〇 

  • 販売目的を告げずに呼び出し、その会場で契約させているので訪問販売に該当する。
  • また、外国語教室で2か月以上5万円を超えているので特定継続的役務提供にも該当する。

 

⑧ 美容医療契約において、病院における治療が1回限りである場合は、1ヵ月を超えて無料でアフターサービスを受けられる場合であっても、特定継続的役務提供に該当することはない。

【解答】 ✖ ➡ 1か月以上のアフターケアを受けられるので特役に該当 

  • チケットや回数券等であって有効期限が示されていつものは、当該有効期限を持って役務の提供期間とし、有効期限の定めのないものについては、政令に定める期間(1か月、2か月)を超えるものとして取り扱う。
  • 契約において一定期間は無料で役務提供することとしているような場合は、この無料役務提供期間を含めて役務提供を受ける権利を有していることとなる。したがって、政令で定める期間を超えているか否かについては、当該無料提供の期間も含めて判断する。
  • 商品販売に付随して外見上無償で役務提供がされる場合、取り扱いの方法や説明や一定の修理補償(いわゆるアフターサービス)等も、社会通念上独立して経済的価値を有する(いわゆる有償)と認識される場合は、実質的には取引全体として有償役務提供がなされるものと考えられる。 

 

連鎖販売取引の加入者が、連鎖販売取引の中途解約に伴って商品販売契約を解除できる場合、まだ加入者に対して商品の引渡しがされていなければ、販売業者は加入者に、解約に伴う違約金等の支払いを一切請求することができない。

【解答】 ✖ ➡ 中途解約の違約金は認められている 

  • 連鎖販売の参加者はクーリングオフ期間を過ぎていても、連鎖販売契約を中途解約することができる。
  • また、連鎖販売で購入した商品も次に該当していれば解除・返品することができる。(入会後1年以内、商品の引き渡しを受けてから90日以内、商品を再販売していない、商品を使用消費していない場合
  • 中途解約の精算は、商品が返還されなければ商品の販売価格返還された場合は商品の販売価格の10%を違約金として請求できる。 

 

⑩ 「入会金を支払えば、仕事を紹介する」と言ってお金を支払わせるのみで、その仕事に必要な物品の販売や役務の提供の契約を全くしていない場合は、業務提供誘引販売取引に該当しない。

【解答】 〇  

  • 業務提供誘因販売取引とは、商品の販売・有償の役務提供であり、業務提供利益が得られると誘引され、特定負担を伴うものをいう。
  • 仕事に必要な物品の販売や役務提供をしていない場合は該当しない。 

 

⑪ 不用品を買い取ってもらうつもりで業者を自宅に呼び、査定してもらったところ、逆に「廃棄するのにお金がかかる」と言われ、最終的に消費者がお金を払って不用品を引き取ってもらった場合、訪問購入ではなく訪問販売の規制がかかる。

【解答】 〇  

  • あくまで訪問購入目的で事業者を呼んでいるため、急にその場で不用品の引き取りの役務提供の勧誘をしているので、訪問販売に該当する。