消費生活相談員資格試験 過去問解説

消費生活相談員資格試験対策としては過去問を多く解くことが近道です。しかし、過去問の回答の解説がなかなか市販されていないため、独自で作成

消費生活相談員資格試験 2019年度(2回目) 7問

2019年度(2回目) 消費生活相談員資格試験 7問

1. 次の各文章が、正しければ〇、誤っていれば×を解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。 

宅地建物取引業法上、宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約を締結する場合には、手付金を受領することが禁止されている。

【解答】 ✖ 手付金の制限はあるが、禁止されていない

  • 売買代金の20%を超える手付金を受け取ってはならない。手付金は解約手付けとしなければならない。
  • そのほかにも、未完成物件の契約の制限・許可前完成前の広告の禁止・クーリングオフの適用・手付金の保全

 

宅地建物取引業法上、宅地建物取引業者は、宅地や建物の売買の相手方に対して、その売買契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、重要事項を記載した書面を交付して説明させる義務を負う。

【解答】 〇 

  • 契約するまでに、宅地建物取引士が、宅地建物取引士証を提示し、重要事項証明書に記名押印し、口頭で説明をしなければならない。
  • また、売買契約書も交付する義務がある。

 

借地借家法における定期建物賃貸借契約を締結した場合、賃借人はいかなる場合も解約の申入れをすることができない。

【解答】 ✖ やむを得ない事情の時は中途解約可能

  • 定期借家、期間の途中で解約することを許す旨の特約がなければ期間中に解約できないのが原則

  • しかし、定期借家においては、そのような特約がなくとも居住用の200㎡未満の建物の場合は、借主に転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、借りた建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、借主から1ヶ月前に予告することにより、借主からの一方的な意思表示による中途解約が可能

 

国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」によれば、建物の賃借人は、建物の賃借人として社会通念上要求される程度の注意を払って建物を使用しなければならないとされている。

【解答】 〇

  • ガイドライン」には、原状回復を「賃貸人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃貸人の故意・過失、善良な管理者の注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗等を復旧すること」とある

 

建築基準法で完了検査が義務づけられているすべての建築工事では、建築工事の途中工程における中間検査も義務づけられている。

【解答】 ✖ ➡ 着手前に申請し、完了時に完了検査を受ける 

  • 建築基準法は建築確認制度を採用しているので、建築法規等に適合する計画であるかを工事の着手前に、確認申請書を都道府県等に提出し、建築主事等の確認を受ける必要がある。
  • 工事が完了した時は、完了検査を受け検査済み証の交付を受けた後でなければ、建物を使用できない

 

建築基準法は、構造上の最低基準を定めている。木造2階建て建物について、最低限必要な壁の量までは規定していない。

【解答】 ✖ 地震力、風圧力等に対する必要な壁量の基準がある

 

⑦ 建物を販売する事業者は、販売する新築住宅の性能に関する表示を、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき定められる「日本住宅性能表示基準」に適合させることが義務づけられている。

【解答】 ✖ ➡ 義務ではない

  • 「品確法」:新築住宅について柱・梁など構造耐力上主要な部分、雨水の侵入を防止する部分について、10年間の瑕疵担保責任が義務付けられている。特約で20年まで延長可能

  • 国土交通大臣の登録を受けた「登録住宅性能評価機関」が、国の定めた基準に基づいて住宅の性能を評価して、その結果を住宅性能評価書として交付する

 

⑧ 老人福祉法の一部改正を含む「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」により、事業倒産等の場合に備えた有料老人ホームの入居者保護の充実を図るため、前払金を受領する場合の保全措置の義務対象が拡大された。

【解答】 〇 

  •  銀行等との連帯保証委託契約、親会社との連帯保証委託契約、 保険事業者との保証保険契約、 信託会社等との信託契約による保全措置
  • 前払い金は、入居期間が3か月以内であれば、日割家賃に相当する額を差し引いたうえで、残額を返還することが法律で定められている(90日ルール) 

 

 

 ⑨ 現行民法(2017(平成 29)年改正前の民法)では、請負契約において目的物に瑕疵がある場合、原則として、注文者は、請負人に瑕疵の修補や損害賠償を請求することができる。この瑕疵の修補や損害賠償請求は、注文者が瑕疵を知った時から1年以内にしなければならない。

【解答】 ✖ 瑕疵を知った時からではなく、引き渡しを受けた時から 

  • 民法637条:瑕疵の修補又は損害賠償の請求及び契約の解除は、仕事の目的物を引き渡した時から一年以内にしなければならない。

  

 ⑩ 「建物の区分所有等に関する法律」に基づき、マンションの区分所有者は、規約に別段の定めがない限り、集会の決議により管理者を選任することができる。管理者は、マンションの区分所有者を代理して、共用部分に生じた損害賠償の請求をすることができる。

【解答】 〇 

  • 管理者は、共用部分等について生じた損害賠償等について、区分所有者を代理する権限を付与 
  • 区分所有者及び議決権の5分の4以上の多数決のみで建替えが可能