消費生活相談員資格試験 過去問解説

消費生活相談員資格試験対策としては過去問を多く解くことが近道です。しかし、過去問の回答の解説がなかなか市販されていないため、独自で作成

消費生活相談員資格試験 30年度 2問

平成30年度 消費生活相談員資格試験 2問

2. 次の文章の[ ]に入る最も適切な語句を、下記の語群の中から1つ選び、解答用紙の解答欄にその番号を記入(マーク)しなさい。なお、同一記号には同一語句が入る。

 

【語群】 1. 有利誤認表示 2. 公正な競争 3. 過大な景品類提供 4. 主婦連合会 5. 不当な顧客誘引 6. ニセ牛缶事件 7. 一般消費 者の自主的かつ合理的な選択 8. 競争者に対する不当な取引妨害 9. 不当な取引制限 10. 命令 11. 自由な競争 12. 法律上の利益 13. 公正競争規約 14. 不当な表示 15. カラーテレビ二重価格表示問題 16. 告示 17. 消費者庁 18. 公共の福祉 19. 全国地域婦人団体連絡協議会 20. 消費者委員会

  

景品表示法が制定される重要な契機となったのは、1960(昭和 35)年に発生 した[ ア ]であった。本件のような行為は、独占禁止法が禁止する不公正 な取引方法の一類型である[ イ ]に該当するとして規制されることになっ た。 その後、より有効な規制を求める世論の高まりを受け、[ ア ]のような [ ウ ]については、当時一般消費者の利益を害するとして問題とされてい た[ エ ]とともに、迅速な規制を可能とするため、1962(昭和 37)年、 独占禁止法の特例として景品表示法が制定されるに至った。


【解答】ア:⑥ニセ牛缶事件 イ:⑤不当な顧客誘引 ウ:⑭不当な表示 エ:③過大な景品類提供

  • ニセ牛缶事件は牛肉大和煮やコンビーフと表示された缶詰の中身が、馬肉、鯨肉だった。これを機に1962年(S37)景品表示法が制定された。
  • 景品表示法は「不当表示・過大な景品を規制する法律」

 

② 1971(昭和 46)年当時、ジュースの表示について、景品表示法に基づき公正 取引委員会の認定を受けた果汁飲料等の表示に関する[ オ ]では、果汁含 有量が5%未満ないし無果汁の場合もその旨の表示をせずに、「合成着色飲料」 等と表示すれば足りるとされていた。そこで、[ カ ]及びその代表が、公 正取引委員会に対し不服申立てを行ったところ、公正取引委員会不服申立て の資格なしとする審決を下した。その後、[ カ ]らが審決取消訴訟を提起 したが、最高裁は、1978(昭和 53)年、不服申立てには[ キ ]の侵害が 必要であるところ、一般消費者が受ける利益は公益の保護の結果として生ずる 反射的な利益ないし事実上の利益にすぎないとして、訴えを退けた。 一方、公正取引委員会においては、1973(昭和 48)年、新たに、無果汁の 清涼飲料水等の表示に関する[ ク ]を定め、5%未満ないし無果汁の場合 でその旨の表示がない場合に[ ウ ]となることを明記し、現在の景品表示 法に引き継がれている。その後、景品表示法の所管は、2009(平成 21)年、 公正取引委員会から[ ケ ]に移され、目的規定から[ コ ]の文言が削 除された。

 【解答】オ:⑬公正競争規約 カ:④主婦連合会 キ:⑫法律上の利益 ク:⑯告示  ケ:⑰消費者庁 コ:②公正な競争

  • 「公正競争規約」とは、各業界・事業者の自主ルール。消費者庁長官及び公正取引委員会の認定を受けて定め、参加事業者を拘束する。景品37件 表示67件 計104件の公正競争規約がある。
  • 主婦連ジュース訴訟:主婦連は果汁が全く入っていなかったり、ほとんど入っていない飲料には「無果汁」と表示すべきだと、景品表示法に基づき公正取引委員会に不服申し立てを行った。しかし、消費者には不服申し立ての資格がないと退け、主婦連は高裁や最高裁で争ったが敗訴した。
  • 景品表示法(5条1項3号)では、消費者に誤認の恐れがあるとして内閣総理大臣が6つを指定している。告示。一つが無果汁。
  • 無果汁又は5%未満の清涼飲料水、アイスクリームなど無果汁あるいは割合を明記せずに、「果実名を用いた商品名」「果実の絵・写真」「果汁果肉と似た色」などの表示を禁止している。
  • 景品表示法の目的は「不当な景品・表示による顧客の誘因を防止するため、消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害する恐れのある行為の制限、禁止を定め、消費者の利益を保護すること」