消費生活相談員資格試験 過去問解説

消費生活相談員資格試験対策としては過去問を多く解くことが近道です。しかし、過去問の回答の解説がなかなか市販されていないため、独自で作成

消費生活相談員資格試験 2019年度(2回目) 5問

消費生活相談員資格試験  2019年度(2回目) 5問

5. 次の文章のうち、下線部がすべて正しい場合は〇を、下線部のうち誤っている箇所がある場合は、誤っている箇所(1ヵ所)の記号を解答用紙の解答欄に記入(マーク)しなさい。 

① 消費者教育推進法は、大学等における消費者教育の推進のため、国及び地方公共団体は、大学等に対し、学生等の消費生活における被害を防止するための啓発その他の自主的な取組を行うよう㋐促すものとするとしている。また、国及び地方公共団体は、㋑関係団体の協力を得つつ、学生等に対する援助を行う教職員に対し、㋒研修の機会の確保、情報提供その他の必要な措置を講じなければならないとしている。

【解答】 〇 12条 大学等における消費者教育の推進

  • 消費者教育が適切に行われるようにするため、大学等に対し、学生等の消費生活における被害を防止するための啓発その他の自主的な取組を行うよう促すものとする。国及び地方公共団体は、大学等が行う前項の取組を促進するため、関係団体の協力を得つつ、学生等に対する援助に関する業務に従事する教職員に対し、研修の機会の確保、情報の提供その他の必要な措置を講じなければならない

 

② 「消費者教育の推進に関する基本的な方針」においては、若年者の消費者教育について、「学習指導要領を踏まえ、㋐高等学校段階までに、㋑売買契約の基礎や契約の重要性やそれを守ることの意義、売買契約の仕組みについての理解、消費者被害の背景とその対応についての理解などの知識及び技能を身に付けるよう、消費者教育をより㋒理論的に実施することが必要」としている。

【解答】 ✖ ウ ➡ 理論的ではなく実践的

  

 

③ 2015(平成 27)年に国際連合の「持続可能な開発サミット」で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」は、17 項目の持続可能な開発目標を達成することにより、㋑「誰一人取り残さない」社会の実現に向けて、途上国のみならず先進国も実施に取り組むものになっている。㋒消費者基本計画に基づく施策の一つである「消費者が主役となって選択・行動できる社会の形成」は、目標 12「つくる責任 つかう責任」や目標 14「海の豊かさを守ろう」など、さまざまな目標に関連している。

【解答】 〇

  • SDGsエスディージーズ)」とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月に国連で開かれたサミットので決められた、国際社会共通の目標

  • 17の目標:貧困をなくそう・ 飢餓をゼロに・すべての人に健康と福祉を・ 質の高い教育をみんなに・ジェンダー平等を実現しよう・ 安全な水とトイレを世界中に・ エネルギーをみんなに そしてクリーンに・ 働きがいも経済成長も 産業と技術革新の基盤をつくろう・人や国の不平等をなくそう・ 住み続けられるまちづくりを ・つくる責任 つかう責任・ 気候変動に具体的な対策を・海の豊かさを守ろう・ 陸の豊かさも守ろう・ 平和と公正をすべての人に・ パートナーシップで目標を達成しよう

 

厚生労働省では、公共職業安定所ハローワーク)に登録している有効求人登録者数に対し、企業からの有効求人数の割合を示す指標を有効求人倍率として、㋑毎月公表している。2018(平成 30)年度の平均有効求人倍率は 1.62倍となり、2017(平成 29)年度の平均を㋒上回った

【解答】 〇

 

⑤ 我が国では物価指数として、商品の流通過程に応じて消費者物価指数、企業物価指数などが作成されている。消費者物価指数は、㋐小売段階における財やサービスの価格全般の動向を表している。物価は、経済活動が活発となり需給がひっ迫してくると㋑上昇率が高まり、経済活動が停滞し需給が緩むと㋒上昇率が低下する傾向がある。

【解答】 〇 

  • 消費者物価指数は、全国の世帯が購入する家計に係る財及びサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定するもので、毎月作成。 品目の価格は総務省統計局実施の小売物価統計調査によって調査された小売価格を用いている。

 

総務省が毎月実施している「家計調査」によると、2018(平成 30)年の2人以上世帯の消費支出は 2017(平成 29)年に比べ名目は増加しており、物価変動の影響を考慮した実質消費支出は、5年連続の㋐減少となっている。「家計調査」における消費支出とは、1世帯当たりの平均値である。「実収入」(2人以上の世帯のうち勤労者世帯)は、1世帯当たりのすべての世帯員の現金収入を合算した㋑平均収入であり、前年に比べ、㋒名目、実質とも増加した。

【解答】 ✖ ウ ➡ 実質実収入は減少

  • 消費支出は実質0.4%の減少となり,5年連続の実質減少

  • 実収入とは,世帯員全員の現金収入(税込み)を合計したもの

  • 実収入は名目0.6%の増加,実質0.6%の減少

 

⑦ 「地球温暖化対策のための税」は、低炭素社会の実現に向け、再生可能エネルギーの導入や省エネ対策をはじめとする地球温暖化対策など、㋑エネルギー利用に伴う CO2の排出抑制対策を強化するため、石油・天然ガス・石炭といったすべての化石燃料の利用に対し、環境負荷(CO2排出量)に応じて広く薄く公平に負担を求めるものである。

【解答】 〇

  • 地球温暖化対策のための税は、石油・天然ガス・石炭といったすべての化石燃料の利用に対し、環境負荷に応じて広く薄く公平に負担を求めるもの

  • 石燃料ごとのCO2排出原単位を用いて、それぞれの税負担がCO2排出量1トン当たり289円に等しくなるよう、単位量当たりの税率を設定

  • この税収を活用して、省エネルギー対策、再生可能エネルギー普及、化石燃料のクリーン化・効率化などのエネルギー起源CO2排出抑制

 

⑧ 2016(平成 28)年4月に始まった電力の小売全面自由化においては、㋐低圧分野(家庭向け等)における電気の小売が全面的に自由化された。それに伴い、料金プランにもさまざまなタイプのものが新しく出ており、㋑完全従量料金制もその一つである。また、再生可能エネルギーの電源割合が高いメニューを選択することも可能になった。

【解答】 〇 

  • 電気の小売事業への参入者が増えることで競争が活性化し、様々な料金メニュー・サービスが登場することが期待

  • 電気とガス、電気と携帯電話などの組み合わせによるセット割引や、ポイントサービス、さらには家庭の省エネ診断サービスなどが登場

  • 再生可能エネルギーを中心に電気を供給する事業者から電気を買うことも可能。

    近くの自治体が運営する事業者から電気を買うなど、電気の地産地消も可能