消費生活相談員資格試験 過去問解説

消費生活相談員資格試験対策としては過去問を多く解くことが近道です。しかし、過去問の回答の解説がなかなか市販されていないため、独自で作成

消費生活相談員資格試験 2019年度(2回目) 3問

消費生活相談員資格試験   2019年度(2回目) 3問 

3.次の文章の[ ]に入る最も適切な語句を、下記の語群の中から1つ選び、解答用紙の解答欄にその番号を記入(マーク)しなさい。なお、同一記号には同一語句が入る。

 

 【語群】

1. 安心   2. 消費者保護及び執行のための国際ネットワーク(ICPEN)

3. 通商産業省生活産業局   4. 消費者保護基本法   5. 油症  6. スモン

7. 消費者教育を受ける   8. 経済企画庁国民生活局   9. ニクソン

10. 消費者基本法   11. ケネディ   12. 国際連合   13. 国際消費者機構(CI)

14. 事業者の義務   15. ヒ素ミルク中毒  16. 救済を受ける 

17. ヨーロッパ共同体  18. 安全   19. 消費者の責任   20. サリドマイド

 

 

① 我が国において、消費者問題が社会問題として広く認識されたのは、1950 年代から 1960 年代にかけて発生した食品や医薬品に関わる事件がきっかけであった。例えば、[ ア ]事件は、有毒物質の混入により1万人を超える乳幼児に被害が及んだ事案であり、[ イ ]事件は、催眠鎮静薬として販売された医薬品を妊娠中の女性が服用することにより、胎児に重度の先天異常を引き起こした事案である。こうした事件の発生により、国民の間で消費者問題への関心が高まり、1965(昭和 40)年には、消費者政策担当部局として[ ウ ]が設置された。1968(昭和 43)年には[ エ ]が制定され、消費者政策の基本的枠組みが定められた

 【解答】ア:⑮ヒ素ミルク中毒 イ:⑳ サリドマイド ウ:⑧ 経済企画庁国民生活局

     エ:④消費者保護基本法

  • 高度成長期にかけて、生活が次第に豊かになっていく反面で、欠陥商品などによる深刻な消費者被害が相次いで発生。ヒ素の混入した粉ミルクを飲んだ乳児に多数の死者、中毒患者を出した森永ヒ素ミルク中毒事件(1955年)はその象徴的なものといえる
  • サリドマイドは1950年代末から60年代初めに、世界の十数カ国で販売された鎮静・催眠薬。この薬を妊娠初期に服用すると、子供に奇形を起こす。世界で数千人~1万人、日本で約千人(死産を含む)の胎児が被害にあったと推定
  • 1965年には消費者政策を担当する政府の部局として、経済企画庁に「国民生活局」「消費者行政課」が設置された。
  • また1968年に制定された「消費者保護基本法」では、消費者を保護すべき対象として、国・地方公共団体・事業者の責務と役割分担が定められた。

 

 

② 一方、海外に目を向けると、1962(昭和 37)年にアメリカの[ オ ]大統領が消費者の権利として、[ カ ]への権利、情報を与えられる権利、選択をする権利、意見を聴かれる権利を提示した。その後、1975(昭和 50)年に、フォード大統領により[ キ ]権利が追加された。1982(昭和 57)年には、消費者団体の国際的組織である[ ク ]が8つの消費者の権利と5つの[ ケ ]を提唱し、さらに、1985(昭和 60)年には、第 39 回[ コ ]総会にて「消費者保護のためのガイドライン」が採択された。こうした公的な宣言等により、国際的にも消費者の権利とともに、消費者が主体的に行動することの重要性が早くから指摘されてきた。

 【解答】オ:⑪ケネディ カ:⑱安全  キ:⑦消費者教育を受ける 

     ク:⑬国際消費者機構(CI) ケ:⑲消費者の責任  コ:⑫国際連合

  • ケネディ大統領が1962年『消費者の権利保護に関する大統領特別教書』でうたったことが、世界各国の消費者行政の基本理念になった
  • 4つの権利:安全を求める権利・知らされる権利・選ぶ権利・意見を聞いてもらう権利・消費者教育を受ける権利(1975年にフォード大統領が追加)

  • 1982年には、国際的な消費者団体である国際消費者機構(CI)が、8つの権利と5つの責務を提唱

  • 消費者の8つの権利:生活の基本的ニーズが保障される権利・安全である権利・知らされる権利・選ぶ権利・意見を反映される権利・補償を受ける権利・消費者教育を受ける権利・健全な環境の中で働き生活する権利

  • 消費者の5つの責務:批判的意識・自己主張と行動・社会的関心・環境への自覚・連帯